この記事にはアルコールに関する情報が含まれています。お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳中の飲酒はお控えください。
- ジンの種類を製法の系統と味の系統の2軸で整理した早見表
- ロンドンドライ・オールドトム・ジュネヴァ・クラフトの味の違いと生まれた背景
- 系統ごとの代表銘柄9本の香りと向く飲み方
- 好きな飲み方やボタニカルから自分に合う一本を逆算する方法
- ジンとウォッカの違いなどよくある疑問への答え
酒売り場のジンの棚は、この数年で見違えるほど賑やかになりました。
青いボトルの隣に和紙のラベルが並び、値段も香りもばらばらで、どれを手に取ればいいのか迷う方が多いはずです。
ジンの種類は「製法の系統」と「味の系統」の2つの軸で見ると、一気に整理できます。
この記事では、監修者の武本が実際に飲み比べた代表銘柄9本を軸に、系統ごとの味の違いと自分に合う一本の見つけ方を解説します。
読み終わるころには、ラベルを見ただけでだいたいの味が想像できるようになるはずです。
まず3本だけ知りたい方へ。
王道・プレミアム・国産クラフトから、系統の違いがはっきりわかる一本ずつを選びました。
| ビーフィーター | ボンベイ・サファイア | ROKU〈六〉 | |
|---|---|---|---|
| 商品 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 系統 | ロンドンドライ | ロンドンドライ(プレミアム) | 国産クラフト |
| 度数 | 40度 | 47度 | 47度 |
| ジュニパー感 | ●●● | ●●○ | ●●○ |
| こんな人に | 基準の味を知りたい | 軽やかで華やかな香り | 和の香りを試したい |
| 購入 |
ジンの種類の早見表
ジンの種類は、製法や歴史で分ける「スタイル」と、香りの方向で分ける「味の系統」の2軸で捉えるとわかりやすくなります。
下の表は、スタイルごとの味の傾向・ジュニパー(ジンの核となる松のような香り)の強さ・向く飲み方・代表銘柄をまとめたものです。
ジュニパー感は監修者の実飲による3段階の目安で、●が多いほど「これぞジン」という力強い香りです。
| スタイル | 味の傾向 | ジュニパー感 | 向く飲み方 | 代表銘柄 |
|---|---|---|---|---|
| ロンドンドライ | 辛口でキレがあり甘みを足さない | ●●● | ジントニック・マティーニ | ビーフィーター・タンカレー |
| プリマス | ロンドンドライよりやわらかく土の香り | ●●○ | マティーニ・ロック | プリマス・ジン |
| オールドトム | ほのかな甘みでまろやか | ●●○ | トムコリンズ・ロック | ヘイマンズ オールドトム |
| ジュネヴァ | 麦芽由来のコクとウイスキーのような風味 | ●●○ | ストレート・ロック | ボルスなどオランダ産 |
| プレミアム・クラフト | ボタニカルの個性が前に出る | ●●○〜●○○ | ジンソーダ・ロック | ボンベイ・サファイア・ザ・ボタニスト |
| 国産クラフト | 柚子や茶など和素材の香り | ●○○〜●●○ | ジンソーダ・ロック | ROKU・季の美・翠 |
武本 大宙僕がジンにはまった順番は、ビーフィーター→ボンベイ→季の美でした。まず王道で「ジュニパーの香り」を覚えると、次に飲むクラフトジンの個性がはっきり見えてきます。順番を逆にすると、王道が物足りなく感じてしまうので注意してください。
ジンとは何か
ジンは、穀物などから造ったスピリッツにジュニパーベリーをはじめとする植物(ボタニカル)で香りをつけた蒸留酒です。
法律上の決まりはジュニパーベリーを使って香りづけすることだけで、それ以外のボタニカルは造り手の自由です。
この自由さが、同じ「ジン」でも柑橘のように爽やかなものから、花やハーブのように複雑なものまで幅が生まれる理由です。
度数は40〜47度が中心で、ロックやストレートよりも、トニックやソーダで割って香りを開かせる飲み方が主流です。
ジンの度数を銘柄別にまとめた記事もあるので、度数から選びたい方はそちらも参考にしてください。

ジンの4つの系統と味の違い

ジンの種類は膨大で、どこから手をつければいいか迷ってしまいますよね。
実は、ジンの個性は主に「ボタニカル」と呼ばれる植物由来の原料によって決まります。
この系統を理解すれば、ラベルを見ただけでおおよその味を想像できるようになり、自分の好みに合ったジンを見つける精度が格段に上がります。
まずはこの4つの系統から、好みの方向性を探ってみましょう。
①シトラス系|爽快でフレッシュな柑橘の香り
シトラス系のジンは、その名の通り柑橘類の爽やかな香りが特徴です。
レモンピールやオレンジピール、グレープフルーツ、日本のクラフトジンでは柚子などがキーボタニカルとして使われることが多いですね。
これらの柑橘果皮に含まれるオイル成分が、ジンのアルコールと共に蒸留されることで、鮮烈で心地よいアロマを生み出します。
ジンの持つ独特の薬草感が苦手な方でも、この系統ならすんなりと受け入れられることが多いでしょう。
特にジントニックにした時の相性は抜群で、柑橘のフレッシュな香りが弾け、ゴクゴク飲めてしまいます。
ジン初心者の方が最初に試す一本としても、非常におすすめしやすい系統です。
②ハーバル・フローラル系|ハーブや花の繊細な香り
まるで緑豊かな植物園や、花が咲き乱れる庭園を散策しているかのような、複雑で繊細な香りを持つのがハーバル・フローラル系です。
ラベンダーやカモミール、エルダーフラワーといった花の香りや、ローズマリー、バジル、ミントなどのハーブの香りが特徴で、リラックスしたい夜にぴぴったりの一杯が見つかります。
この系統は、ボタニカルの組み合わせによって個性が大きく変わるため、探求のしがいがあるのも面白いところです。
例えば、ミントやシソを使ったものは清涼感あふれる味わいに、カモミールやラベンダーを使ったものは穏やかで落ち着いた味わいになります。
③スパイシー系|個性的で複雑なスパイスの香り
ピリッとした刺激や、エキゾチックで温かみのある香りが好きな方には、スパイシー系のジンがおすすめです。
キーボタニカルとしては、コリアンダーシードやカルダモン、シナモン、ピンクペッパーなどがよく使われます。
ジンジャーやリコリス(甘草)といった根茎系のボタニカルが、土っぽさや深みのある甘さを加えることもあります。
日本のクラフトジンでは、山椒を使ったものが人気ですよね。
柑橘のような爽やかさと、舌が痺れるような独特の刺激が、和のテイストを鮮やかに表現しています。
ドライでキレのある味わいのものが多く、ソーダ割りで食事と合わせるのも面白い系統です。
④ジュニパーベリーリッチ系|伝統的で王道の松の香り
ジンの定義に不可欠なボタニカル、それが「ジュニパーベリー」です。
これはセイヨウネズという針葉樹の木の実で、ウッディで清涼感のある、松やヒノキを思わせる独特の香りを持っています。
このジュニパーベリーの、まるで森の中を思わせるような清々しい香りを前面に押し出したのが、ジュニパーベリーリッチ系です。
これぞジン!という、力強くドライな味わいが特徴で、ジンの歴史と伝統を感じさせてくれます。
他の系統に比べて香りの要素はシンプルですが、その分、骨格がしっかりしているためカクテルベースとして非常に優秀です。
他の素材の風味を消すことなく、しかしジンの存在感をしっかりと主張する、まさにカクテルのためのジンと言えるでしょう。
ジンの世界観を深める!主要4大スタイルの特徴と歴史

ジンのスタイルは、製法と歴史で大きく4つに分かれます。
どれも「ジュニパーで香りをつける」点は同じですが、ベースのスピリッツや甘みの有無で、味の方向がはっきり変わります。
順番に見ていくと、ジンがどう進化してきたかも一緒に理解できます。
ロンドンドライジンは現代ジンの基準
「ロンドン」は地名ではなく製法の名前で、日本で造られても規定を満たせばロンドンドライジンを名乗れます。
クセのないスピリッツを天然のボタニカルと再蒸留し、蒸留後に水以外を加えないのが決まりです。
砂糖を足せないので味は辛口でキレがあり、ジュニパーの香りが最も素直に出ます。
18世紀のイギリスで粗悪なジンが社会問題になった反省から、品質を保証するために生まれたスタイルです。
ビーフィーターやタンカレーがこの系統で、カクテルのベースとして世界中のバーに置かれています。
オールドトムジンは甘口の復刻スタイル
ロンドンドライが生まれる前、18世紀に流行したのがオールドトムジンです。
当時の蒸留技術では荒々しい酒しか造れず、飲みやすくするために砂糖やリコリスで甘みをつけたのが始まりでした。
名前の由来は、パブの外壁に掲げた黒猫(オールド・トム)の看板で、猫の前足にお金を入れると壁の中からジンが注がれた、という逸話です。
味はドライジンとジュネヴァの中間で、はっきりした甘みとまろやかな口当たりが特徴です。
近年クラシックカクテルの再評価とともに復活し、ヘイマンズなどが現代版を造っています。
ジュネヴァはジンの原点
ジンのルーツは、オランダで薬として造られていたジュネヴァにあります。
ロンドンドライがクリアなスピリッツを使うのに対し、ジュネヴァは大麦麦芽などから造る「モルトスピリッツ」がベースです。
そのため、ジンの爽やかさに加えてウイスキーのような穀物のコクと、ほのかな甘みが感じられます。
ストレートやロックでゆっくり飲むのに向いていて、ジンというより「もう一つの蒸留酒」として楽しむ人が多い印象です。
日本では流通量が少なく、この記事では商品を紹介していませんが、バーで見かけたら一度は試す価値があります。
クラフトジンはボタニカルの自由さが魅力
クラフトジンに法律上の定義はなく、小規模な蒸留所が独自のボタニカルで造るジンを指す言葉として使われています。
ジュニパーさえ使えばあとは自由というルールが、茶葉や桜、海藻まで使う多様なジンを生みました。
香りの抽出方法も、スピリッツに漬け込む方法と、蒸気にボタニカルを通す方法があり、後者は繊細でクリーンな香りになります。
ボンベイ・サファイアは蒸気で香りづけする製法の代表で、ザ・ボタニストはアイラ島の植物を22種も使う個性派です。
大手の安定した味に対し、クラフトは「個性と多様性」を楽しむジンだと考えるとわかりやすいです。
国産クラフトジンは和のボタニカルが決め手
日本のクラフトジンは、柚子・山椒・玉露・桜・檜といった和の素材をボタニカルに使うのが特徴です。
サントリーのROKUは桜や煎茶など6種の和素材、京都蒸溜所の季の美は米のスピリッツをベースに和のボタニカルを使っています。
ジュニパーの主張が穏やかで、食事に合わせやすい銘柄が多いので、ジン特有の薬草感が苦手な方の入口にもなります。
翠のように「ソーダで割って食事と」という飲み方を前提に造られたものもあり、居酒屋でも見かけるようになりました。
香りで分ける4つの味の系統

スタイルとは別に、香りの方向で分ける見方もあります。
ラベルに書かれたボタニカルを見て、どの系統かを当てられるようになると選ぶのが楽になります。
シトラス系は初心者の入口
レモンピールやオレンジピール、日本のジンなら柚子が主役の系統です。
柑橘の皮のオイル成分が蒸留で移り、鮮烈で心地よい香りになります。
ジンの薬草感が苦手な方でも受け入れやすく、ジントニックにしたときの相性は抜群です。
ハーバル・フローラル系は繊細で複雑
ラベンダーやカモミール、ローズマリーやミントなど、花とハーブの香りが特徴です。
ボタニカルの組み合わせで個性が大きく変わるので、飲み比べのしがいがあります。
ザ・ボタニストのようにハーブを多用したジンは、ソーダ割りで香りを楽しむのに向いています。
スパイシー系は刺激と深み
コリアンダーシードやカルダモン、シナモン、ピンクペッパーが使われる系統です。
日本のジンでは山椒が人気で、柑橘のような爽やかさと舌が痺れるような刺激が同居します。
ドライでキレのあるものが多く、ソーダで割って食事に合わせると力を発揮します。
ジュニパーリッチ系はこれぞジンの王道
ジュニパーベリーの松やヒノキを思わせる清々しい香りを前面に出した系統です。
香りの要素はシンプルですが骨格がしっかりしていて、他の素材に負けないのでカクテルベースとして優秀です。
ロンドンドライジンの多くがここに入り、ジンの基準を知るならこの系統から飲むのが近道です。
系統別の代表銘柄9本
ここからは、スタイルの違いが実際に味でわかる9本を紹介します。
王道のロンドンドライから、オールドトム、プレミアム、国産クラフトまで、それぞれの系統で手に入りやすい銘柄を選びました。
度数と容量はリンク先の商品に合わせて記載しているので、購入時の目安にしてください。
順番に飲んでいくと、ジンの歴史をなぞるような体験になります。
1. ビーフィーター(ロンドンドライ)

ロンドンで造られ続けている、ロンドンドライジンの代名詞のような一本です。
ジュニパーと柑橘の皮の香りがまっすぐで、余計な甘みや飾りがありません。
ジンの「基準」を舌に覚えさせるなら、最初に飲むべきはこれです。
ジントニックにすると香りが素直に立ち、どんなトニックウォーターとも喧嘩しません。
手に入りやすさも含めて、家に一本置いておくと他のジンとの比較がしやすくなります。
武本 大宙ジンを初めて買う人には、迷わずビーフィーターを勧めています。派手さはありませんが、これを飲んでおくと次に飲むクラフトジンの「何が違うのか」がはっきりわかります。ジン1にトニック3の比率で、ライムを軽く搾るのが僕の定番です。
| メーカー・生産国 | ビーフィーター(イギリス・ロンドン) |
|---|---|
| スタイル | ロンドンドライ |
| アルコール度数 | 40度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | ジュニパー・コリアンダー・オレンジピール・レモンピール |
| 向く飲み方 | ジントニック・カクテル全般 |
2. タンカレー(ロンドンドライ)

緑のボトルで知られる、こちらも王道のロンドンドライジンです。
ビーフィーターよりジュニパーの香りが力強く、口当たりはキリッとドライです。
度数が47.3度と高めで、氷を入れても香りがぼやけません。
マティーニのように「ジンそのものを飲む」カクテルで真価が出る銘柄です。
ボタニカルは4種類とシンプルで、その潔さが骨太な味を支えています。
武本 大宙タンカレーはロックにしたときの香りの立ち方が好きで、ビーフィーターより一段「男っぽい」印象があります。ジントニックなら比率を1対4に薄めても存在感が残るので、強めのジンが好きな人はこちらから入ってもいいと思います。
| メーカー・生産国 | タンカレー(イギリス) |
|---|---|
| スタイル | ロンドンドライ |
| アルコール度数 | 47.3度 |
| 内容量(リンク先) | 750ml |
| 主なボタニカル | ジュニパー・コリアンダー・アンジェリカ・リコリス |
| 向く飲み方 | ジントニック・マティーニ |
3. プリマス・ジン(プリマス)

イギリス南西部の港町プリマスで、一つの蒸留所だけが造っている地理的表示付きのジンです。
ロンドンドライに近い製法ですが、根菜系のボタニカルの比率が高く、土を思わせるやわらかな香りがあります。
ジュニパーの主張が穏やかで、口当たりはまろやかです。
ロンドンドライが少しとがって感じる方に、次の一本として勧めたいジンです。
マティーニの古典的なレシピにも登場する、歴史のある銘柄です。
武本 大宙プリマスは、タンカレーの後に飲むと「丸い」と感じるはずです。ジュニパーが穏やかなので、ロックでゆっくり飲んでも疲れません。ジンの薬草感が少し苦手という友人に出したら、これは飲めると言ってくれました。
| メーカー・生産国 | プリマス蒸留所(イギリス・プリマス) |
|---|---|
| スタイル | プリマス |
| アルコール度数 | 41.2度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | ジュニパー・コリアンダー・オリスルート・アンジェリカなど |
| 向く飲み方 | マティーニ・ロック |
4. ヘイマンズ オールドトム(オールドトム)

18世紀に流行した甘口のオールドトムジンを、現代に復刻した一本です。
ほのかな甘みがジュニパーの香りを包み込み、ドライジンとは明らかに違うまろやかさがあります。
トムコリンズのような古典カクテルは、本来このスタイルのジンで作られていました。
ドライジンの後に飲むと「甘みがあるとこう変わるのか」がよくわかるので、飲み比べの教材として最適です。
ロックで飲むと甘みが際立ち、食後の一杯にも向いています。
武本 大宙オールドトムは、ジンの歴史を一本で体験できるところが面白いです。僕はレモンと砂糖少しとソーダでトムコリンズを作りますが、ドライジンで作るより角が取れて飲みやすくなります。甘口といっても甘ったるくはないので安心してください。
| メーカー・生産国 | ヘイマンズ(イギリス・ロンドン) |
|---|---|
| スタイル | オールドトム |
| アルコール度数 | 41.4度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | ジュニパー・コリアンダーなど+ほのかな甘み |
| 向く飲み方 | トムコリンズ・ロック |
5. ボンベイ・サファイア(ロンドンドライ(プレミアム))

青いボトルで有名な、プレミアムロンドンドライジンの代表格です。
ボタニカルを蒸気に通して香りづけする製法で、10種類の植物の香りが軽やかに重なります。
ジュニパーは控えめで、レモンピールやアーモンドの華やかさが前に出ます。
ロンドンドライの中では最も軽く、ジンが初めての方でも飲みやすい一本です。
リンク先は1,000mlの大容量なので、ジントニックを日常的に作る方に向いています。
武本 大宙ボンベイは僕がジンを好きになったきっかけの一本です。ビーフィーターと並べると香りの華やかさが全然違って、同じロンドンドライでこれだけ幅があるのかと驚きました。ジンソーダにしてレモンピールを絞りかけるのがおすすめです。
| メーカー・生産国 | ボンベイ・サファイア(イギリス) |
|---|---|
| スタイル | ロンドンドライ(プレミアム) |
| アルコール度数 | 47度 |
| 内容量(リンク先) | 1,000ml |
| 主なボタニカル | ジュニパー・レモンピール・アーモンド・カッシアなど10種 |
| 向く飲み方 | ジントニック・ジンソーダ |
6. ザ・ボタニスト(クラフト)

スコットランド・アイラ島のウイスキー蒸留所が造るクラフトジンです。
島に自生する22種の植物を含む31種のボタニカルを使い、ハーブと花の香りが幾重にも重なります。
ジュニパーは穏やかで、口に含むとハーブの苦みと甘い花の香りが交互に現れます。
ハーバル・フローラル系の代表として、クラフトジンの複雑さを知るのに向いています。
ソーダ割りにすると香りが開き、ロックで飲むと余韻の長さがわかります。
武本 大宙ボタニストは、香りが複雑すぎてジントニックにするとトニックに負ける気がして、僕はソーダ割りかロックで飲んでいます。ローズマリーの小枝を添えると、島の植物の香りとつながって面白い一杯になります。
| メーカー・生産国 | ブルックラディ蒸留所(スコットランド・アイラ島) |
|---|---|
| スタイル | クラフト |
| アルコール度数 | 46度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | アイラ島産22種を含む計31種のボタニカル |
| 向く飲み方 | ジンソーダ・ロック |
7. ROKU〈六〉(国産クラフト)

サントリーが造る国産クラフトジンで、桜の花と葉・煎茶・玉露・山椒・柚子の6つの和素材を使っています。
ジュニパーの土台の上に、柚子の柑橘感と山椒のかすかな刺激が乗る構成です。
国産クラフトジンの中では最も手に入りやすく、和のジンの基準になります。
ジントニックにすると柚子の香りが立ち、和食にも合わせやすいのが特徴です。
六角形のボトルもわかりやすく、贈り物にも選ばれています。
武本 大宙ROKUは和のジンの入門として一番勧めやすい一本です。ジンソーダに生姜のスライスを入れると、山椒と柚子の香りが引き立って、焼き鳥や天ぷらとよく合います。海外の友人に日本のジンを紹介するときもまずこれを出しています。
| メーカー・生産国 | サントリー(日本) |
|---|---|
| スタイル | 国産クラフト |
| アルコール度数 | 47度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | 桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子 |
| 向く飲み方 | ジントニック・ジンソーダ |
8. 季の美 京都ドライジン(国産クラフト)

京都蒸溜所が造る国産クラフトジンで、米のスピリッツをベースにしているのが最大の特徴です。
柚子・玉露・山椒・生姜・檜などの和のボタニカルを、香りの系統ごとに分けて蒸留してから合わせる手間のかかる製法です。
口当たりは繊細で上品、余韻に檜のような清涼感が残ります。
ROKUより香りの層が細かく、ジンをじっくり味わいたい方向きです。
度数は45度で、ロックにしても香りが崩れません。
武本 大宙季の美は、初めてロックで飲んだときに檜の香りが後から来て驚いた記憶があります。ジントニックにするともったいないと感じるくらい繊細なので、まずはロックか、薄めのジンソーダで香りを確かめてみてください。
| メーカー・生産国 | 京都蒸溜所(日本・京都) |
|---|---|
| スタイル | 国産クラフト |
| アルコール度数 | 45度 |
| 内容量(リンク先) | 700ml |
| 主なボタニカル | 柚子・玉露・山椒・生姜・檜など和のボタニカル |
| 向く飲み方 | ロック・ジンソーダ |
9. 翠(SUI)(国産クラフト)

サントリーが「食事と一緒に」をコンセプトに造った国産ジンで、柚子・緑茶・生姜の3つの和素材が主役です。
ジュニパーの主張は控えめで、緑茶の渋みと柚子の香りがすっきりした後味を作ります。
ソーダで割る「翠ジンソーダ」を前提にした設計で、居酒屋でも定番になりつつあります。
度数40度と国産クラフトの中では低めで、ジンに慣れていない方でも飲みやすい一本です。
リンク先は350mlの小さいサイズなので、試しに買うのにちょうどいい量です。
武本 大宙翠は、家で唐揚げや餃子と合わせるジンソーダとして定着しています。ジン1にソーダ4くらいの薄めで作ると、緑茶の渋みが油を切ってくれます。クラフトジンらしい派手さはありませんが、毎日飲めるバランスの良さがあります。
| メーカー・生産国 | サントリー(日本) |
|---|---|
| スタイル | 国産クラフト |
| アルコール度数 | 40度 |
| 内容量(リンク先) | 350ml |
| 主なボタニカル | 柚子・緑茶・生姜 |
| 向く飲み方 | ジンソーダ(翠ジンソーダ) |
さらに多くの銘柄を比較したい方は、おすすめのジンをまとめた記事も参考にしてください。

自分に合うジンの選び方
9本の違いがわかったところで、自分に合う一本の絞り込み方を整理します。
コツは「飲み方」「ボタニカル」「度数」の3つから逆算することです。
飲み方から逆算する
ジントニックが中心なら、ジュニパーがしっかりした王道のロンドンドライが向いています。
トニックの甘みと苦みに負けない骨格が必要だからです。
ソーダ割りやロックで香りを楽しみたいなら、ボタニカルの個性が強いクラフトや国産ジンを選ぶと満足感が高くなります。
食事と合わせるなら、翠やROKUのようにジュニパーが穏やかな国産ジンが一番使いやすいです。
好きな食べ物からボタニカルを当てる
レモンサワーや柑橘が好きならシトラス系、ハーブティーやパクチーが好きならハーバル系、カレーやスパイス料理が好きならスパイシー系を試してみてください。
普段の好みとボタニカルの方向が一致すると、外す確率がぐっと下がります。
ラベルの裏面にボタニカルが書かれていることが多いので、店頭で裏面を見る習慣をつけると選びやすくなります。
度数は40度台前半から始める
ジンは40〜47度と幅があり、度数が高いほど香りは力強く、アルコールの刺激も増します。
初めての一本は40〜42度のものを選ぶと、ロックでも飲みやすく感じます。
47度クラスは氷を入れても香りがぼやけないので、慣れてからカクテル用に選ぶと使い分けができます。
最初の一本は王道か国産のどちらか
迷ったら、ビーフィーターかROKUのどちらかから入るのが失敗しにくい選び方です。
ビーフィーターはジンの基準を、ROKUは和のジンの基準を、それぞれ一本で教えてくれます。
この2本を基準にすると、次に飲むジンが「王道寄り」なのか「個性派」なのかを自分で判断できるようになります。
ジンをもっと楽しむための豆知識
ここからは、ジンを選ぶときや飲むときに知っておくと役立つ話をまとめました。
どれも短い話ですが、知っているとバーでの会話が少し楽しくなります。
ジンとウォッカの違いは香りづけの有無
どちらも穀物などを原料にした蒸留酒ですが、ウォッカは濾過して無味無臭に近づけ、ジンはボタニカルで香りをつけます。
香りをつけるのがジン、つけないのがウォッカと覚えるのが一番簡単です。
ウォッカがカクテルの「素材」だとすれば、ジンはそれ自体が「味」を持つお酒です。
ジントニックが合う理由
トニックウォーターの苦み成分キニーネと、ジュニパーの清涼感は相性がよく、互いの香りを引き立てます。
比率はジン1に対してトニック3〜4が目安で、氷は大きくて硬いものを使うと薄まりにくくなります。
注ぐときは氷に当てないように静かに入れ、混ぜるのは一回だけにすると炭酸が残ります。
詳しい飲み方は、ジンの飲み方をまとめた記事で紹介しています。

ボタニカルとはジンに香りをつける植物のこと
ボタニカルはジンに香りや風味を与える植物由来の原料の総称で、必須なのはジュニパーベリーだけです。
伝統的にはコリアンダーシード、アンジェリカルート、リコリス、オレンジピールが骨格を作ります。
クラフトジンではここに茶葉や花、海藻まで加わり、それがジンの多様性を生んでいます。
色のついたジンは浸漬か樽熟成
ジンは蒸留酒なので基本は無色透明ですが、蒸留後にフルーツやハーブを漬け込むとピンクや紫の色がつきます。
ウイスキーのように樽で寝かせた「バレルエイジド・ジン」は琥珀色になり、バニラのような風味が加わります。
スロージンはスローベリーを漬け込んだリキュールで、厳密にはジンとは別物です。
保存は直射日光と高温を避ける
ジンは度数が高いので腐る心配はなく、未開封なら数年単位で保存できます。
ただし光と熱は香りを劣化させるので、戸棚などの冷暗所に置いてください。
開封後は栓をしっかり閉め、残りが少なくなったら早めに飲み切ると香りが飛びません。
ジンに合うおつまみをスーパーで探したい方は、こちらの記事が参考になります。

ジンの種類に関するよくある質問
ジンを選び始めた方から、実際によく聞かれる質問をまとめました。
ロンドンドライとクラフトの違いや、初心者向きのジンはどれかといった素朴な疑問ほど、答えを知っておくと棚の前で迷わなくなります。
検索でよく調べられている質問を中心に、監修者の経験も交えて答えています。
ジンの種類はいくつありますか?
製法と歴史で分けると、ロンドンドライ・オールドトム・ジュネヴァ・プリマスの4つが伝統的なスタイルです。
ここに定義のないクラフトジンと、その中の国産クラフトジンを加えて考えるとわかりやすくなります。
香りの方向で分けると、シトラス・ハーバル・スパイシー・ジュニパーリッチの4系統です。
ロンドンドライジンとクラフトジンの違いは何ですか?
ロンドンドライは製法に決まりがあり、蒸留後に水以外を加えない辛口のスタイルです。
クラフトジンは法律上の定義がなく、小規模な蒸留所が独自のボタニカルで造る個性重視のジンを指します。
ロンドンドライの製法で造られたクラフトジンもあるので、対立する概念ではありません。
初心者にはどの種類のジンが飲みやすいですか?
ジュニパーの主張が穏やかな国産クラフトジンかプレミアムのロンドンドライが飲みやすいです。
具体的には翠やROKU、ボンベイ・サファイアあたりが入口として向いています。
ジンの基準を知りたい方は、あえてビーフィーターから始めるのもおすすめです。
ジンとウォッカはどちらがカクテルに向いていますか?
素材の味を活かすカクテルならウォッカ、ジンの香りを主役にするカクテルならジンです。
ジントニックやマティーニはジンの香りがあってこそ成立します。
モスコミュールやスクリュードライバーのように割り材が主役ならウォッカが向いています。
ジンの度数はどれくらいですか?
多くのジンは40〜47度で、ロンドンドライは47度前後の力強いものも多いです。
国産クラフトジンは40〜45度が中心で、翠は40度と飲みやすい設計です。
ジントニックにすると口に入る度数は8〜10度程度まで下がります。
まとめ
ジンの種類は、製法で分けるスタイルと、香りで分ける系統の2軸で見ると整理できます。
基準を作るならビーフィーターかタンカレー、和の香りを試すならROKUか季の美、食事と合わせるなら翠が入口になります。
オールドトムやプリマスまで飲み進めると、ジンの歴史が味でわかるようになります。
飲み方とボタニカルと度数から逆算すれば、棚の前で迷う時間はぐっと短くなるはずです。
気になる一本が見つかったら、まずはジンソーダかロックで、香りをそのまま確かめてみてください。
おすすめのジンや飲み方、度数について詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。






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