ワイン選びで失敗した経験はありませんか。
その悩みはワインの「品種」を知れば解決します。
この記事では、代表的な赤・白10品種を紹介します。
品種の個性を知れば、自分の好みが分かり自信を持ってワインを選べます。
ワイン選びの新しい楽しみ方を見つけましょう。
あなたの好みが見つかる!ワイン味わいマップと4つの指標

ワイン選びの失敗は、好みを表現する言葉を知らないことが一因です。
ここでは、ワインの味わいを構成する4つの指標を解説します。
これを理解すれば、自分の好みを伝えられるようになります。
指標1|ボディ|味わいの重厚感
「ボディ」はワインの重さや飲みごたえを表す指標です。
口に含んだ時のコクの強さを指します。
「フルボディ」は濃厚な牛乳、「ミディアムボディ」は普通の牛乳、「ライトボディ」は低脂肪牛乳に例えられます。
アルコール度数やエキス分が濃いほど、ボディは重くなります。
「重めの赤」や「軽めの白」のように注文で使えます。
指標2|酸味|ワインの爽やかさと骨格
「酸味」は味わいを引き締め、フレッシュさを与える要素です。
酸味が高いワインは、味わいがシャープで爽快に感じられます。
酸味が穏やかなワインは、口当たりがまろやかになります。
酸味は料理との相性を考える上で重要です。
脂っこい料理に酸味の高いワインを合わせると、口の中がさっぱりします。
指標3|タンニン|赤ワイン特有の渋み
赤ワイン特有の「渋み」が「タンニン」です。
ブドウの皮や種に含まれるポリフェノールの一種で、赤ワインの色と複雑な味わいを生む重要な成分です。
濃い紅茶の渋みをイメージすると分かりやすいでしょう。
タンニンが豊富なワインは骨格がしっかりし、長期熟成にも向きます。
熟成するとタンニンは丸みを帯び、滑らかになります。
口の中の脂を流すため、ステーキなどの肉料理と合います。
指標4|果実味|甘さと香りの豊かさ
「果実味」はワインの香りや味わいの中心となるフルーツ風味です。
これは単なる「甘さ」とは異なります。
辛口ワインにも豊かな果実味は存在します。
赤ワインは「カシスのような黒系果実」や「イチゴのような赤系果実」と表現されます。
白ワインは「レモンなどの柑橘系」や「パイナップルのようなトロピカルフルーツ」など様々です。
好きな香りの系統から品種を選ぶと、ワイン選びが楽しくなります。
【赤ワイン編】初心者がまず覚えるべき代表5品種

世界中で愛される赤ワインから、押さえておきたい5つの国際品種を厳選しました。
それぞれの品種が持つ個性を理解すれば、ワイン選びが格段に楽しくなります。
まずはこの5つから、ワイン探求を始めてみましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン|赤ワインの王様
「赤ワインの王様」と称される、力強い味わいの品種です。
味わいと香りの特徴
しっかりした骨格と豊富なタンニンが特徴で、濃いルビー色で、凝縮感のある果実味を持ちます。
香りはカシスやブラックベリーなど黒系果実が中心です。
杉やミントのような爽やかな香りも感じられます。
樽熟成によるヴァニラやカカオの香りが、複雑な味わいを生みます。
代表的な産地
最も有名な産地はフランスのボルドーです。
カリフォルニアのナパ・ヴァレーでは、パワフルで果実味豊かなタイプが造られます。
チリやオーストラリアでも高品質なものが造られます。
相性の良い料理
豊富なタンニンが肉の脂と調和します。
牛肉のステーキやビーフシチューと最高の組み合わせです。
チーズならチェダーなどハードタイプが合います。
2000円前後で試せる代表的な1本
チリの「モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン」がおすすめです。
凝縮した果実味と滑らかなタンニンのバランスが良く、この品種の入門に最適です。
メルロー|なめらかで親しみやすい優等生
カベルネ・ソーヴィニヨンが「王様」なら、メルローは親しみやすい「優等生」です。
味わいと香りの特徴
まろやかな口当たりと豊かな果実味が特徴で、タンニンと酸味は穏やかです。
口当たりが滑らかで飲みやすいです。
香りはプラムやブラックチェリーが中心です。
熟成するとチョコレートやコーヒーの香りも現れます。
代表的な産地
原産地はフランスのボルドーです。
特に「右岸」のサン・テミリオンなどでは、メルロー主体の最高峰ワインが造られます。
チリやアメリカなど世界中で栽培されています。
相性の良い料理
柔らかい味わいは幅広い料理に合わせやすいです。
ハンバーグやミートソースパスタなど、家庭料理とも好相性です。
豚の角煮や照り焼きともよく合います。
2000円前後で試せる代表的な1本
ボルドーの「バッド・ボーイ」がおすすめです。
メルロー主体で、豊かな果実味とボルドーらしい品格を兼ね備えています。
ピノ・ノワール|繊細でエレガントな高貴な品種
栽培が難しく「高貴な品種」と呼ばれ、繊細さと華やかさで人々を魅了します。
味わいと香りの特徴
明るく透明感のあるルビー色が特徴です。
香りは華やかで、ラズベリーやイチゴなど赤い果実のアロマが広がります。
熟成すると紅茶やキノコの香りが現れます。
滑らかな酸味とキメ細かいタンニンが特徴で、エレガントな余韻が続きます。
代表的な産地
フランスのブルゴーニュが最も有名です。
最高峰ワイン「ロマネ・コンティ」もこの地のピノ・ノワール100%です。
ブルゴーニュ以外では、アメリカのオレゴンやニュージーランドも有名産地です。
相性の良い料理
鴨肉のローストとの組み合わせは定番です。
キノコのソテーなど、土の香りを持つ食材ともよく合います。
マグロの赤身やカツオなど、魚料理とも合います。
2000円前後で試せる代表的な1本
ニュージーランドの「ヴィラ・マリア プライベート・ビン ピノ・ノワール」は世界で高評価の1本です。
豊かな果実味と美しい酸のバランスが良く、入門編におすすめです。
シラー(シラーズ)|スパイシーで力強い個性派
フランスでは「シラー」、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれる、スパイシーで力強い品種です。
味わいと香りの特徴
黒コショウを思わせるスパイシーな香りが最大の特徴です。
色調は非常に濃く、インクのように深い紫色をしています。
ブラックベリーのような凝縮した黒系果実の力強い果実味と、しっかりしたタンニンが感じられます。
産地によりベーコンやスミレの花の香りも現れます。
代表的な産地
フランスのローヌ地方が原産地です。
北部ローヌではエレガントで長期熟成向きのシラーが造られます。
オーストラリアでは「シラーズ」として人気を誇り、果実味豊かでパワフルなスタイルが主流です。
相性の良い料理
スパイシーな風味は、香辛料を使った肉料理と最高の相性です。
黒コショウを効かせたステーキやラムチョップ、BBQソースの料理とよく合います。
ジビエ料理や北京ダックとも好相性です。
2000円前後で試せる代表的な1本
オーストラリアの「ジェイコブス・クリーク シラーズ」は手に入りやすく、試すのにぴったりです。
豊かな果実味とほのかなスパイス感が楽しめる、コストパフォーマンスの高い1本です。
ガメイ|フレッシュで軽快なチャーミングな赤
「ボジョレー・ヌーヴォー」でお馴染みの品種がガメイです。
フレッシュで軽快な味わいは、日常の食卓を彩るチャーミングな赤ワインを生みます。
味わいと香りの特徴
明るく紫がかったルビー色が特徴です。
ボディはライトからミディアムで、タンニンは非常に穏やかで、渋みが苦手な方でも飲みやすいでしょう。
香りはイチゴやラズベリーなどフレッシュな赤い果実が主体です。
キャンディやバナナのような甘くフルーティーな香りも感じられます。
代表的な産地
聖地はフランスのボジョレー地区です。
この地区の赤ワインは、ほぼすべてがガメイから造られます。
格上の「クリュ・デュ・ボジョレー」は、ヌーヴォーとは違う凝縮感が楽しめます。
相性の良い料理
軽快な味わいは、様々な料理に寄り添います。
生ハムやサラミなどのシャルキュトリーとは鉄板の組み合わせです。
焼き鳥(タレ)や豚の生姜焼きなど、醤油を使った和食ともよく合います。
少し冷やして飲むのもおすすめです。
2000円前後で試せる代表的な1本
ブルゴーニュの名門「ルイ・ジャド」が造る「ボジョレー・ヴィラージュ」は、本格的なガメイの魅力を手軽に味わえます。
フレッシュな果実味の中に、しっかりとした骨格と深みが感じられます。
【白ワイン編】初心者がまず覚えるべき代表5品種

白ワインにも個性豊かな品種が存在します。
ここでは、多様な味わいをカバーする5つの代表品種を紹介します。
その日の気分や料理に合わせて白ワインを選べれば、食生活はさらに豊かになります。
シャルドネ|白ワインの女王
「白ワインの女王」と称され、世界で最も広く栽培されている白ブドウ品種です。
産地や造り手によって多彩な表情を見せるのが最大の特徴です。
味わいと香りの特徴
シャルドネの味わいは、大きく2タイプに分けられます。
一つはオーク樽で熟成させた「樽熟成タイプ」です。
バターやヴァニラのような香りを持ち、リッチでクリーミーな口当たりです。
もう一つはステンレスタンクで造る「樽なしタイプ」です。
リンゴや柑橘類のようなフレッシュな果実味が際立つ、クリーンな味わいです。
代表的な産地
原産地はフランスのブルゴーニュです。
最高峰の「モンラッシェ」や、クリーンな味わいの「シャブリ」が有名です。
カリフォルニアでは、樽を効かせたリッチなタイプが人気です。
チリやオーストラリアでも高品質なものが造られています。
相性の良い料理
樽熟成のリッチなタイプは、鶏肉のクリーム煮やグラタンに合います。
樽なしのクリーンなタイプは、魚介のカルパッチョや生牡蠣と好相性です。
2000円前後で試せる代表的な1本
チリの「コノスル シャルドネ ビシクレタ レゼルバ」は、高いコストパフォーマンスを誇ります。
トロピカルな果実味とほのかな樽の香りで、シャルドネの魅力を手軽に体験できます。
ソーヴィニヨン・ブラン|ハーブ香る爽快な辛口
ハーブや柑橘系の爽やかな香りが広がるソーヴィニヨン・ブラン。
すっきりした辛口白ワインが好きな方なら、まず気に入る品種です。
味わいと香りの特徴
刈りたての草やハーブのようなグリーンな香りが特徴的です。
グレープフルーツやライムなど柑橘系のキリッとしたアロマも感じられます。
シャープで生き生きとした酸味が持ち味です。
ドライで爽快な飲み口は、気分をリフレッシュさせてくれます。
代表的な産地
フランスのロワール地方が原産地として有名です。
ここでは火打石のようなミネラル感が強い、エレガントなスタイルが造られます。
ニュージーランド産は、パッションフルーツのような華やかな香りが特徴で、世界的な人気を博しています。
相性の良い料理
ハーブのような香りと高い酸味は、魚介類との相性が抜群です。
魚介のカルパッチョやハーブを効かせた白身魚のグリルとは最高の組み合わせです。
アスパラガスを使った料理やゴートチーズとも見事に調和します。
2000円前後で試せる代表的な1本
ニュージーランドの「シレーニ・エステート セラー・セレクション ソーヴィニヨン・ブラン」がおすすめです。
弾けるようなアロマと爽やかな酸味が心地よく、この品種の魅力をストレートに感じられます。
リースリング|高貴な香りと甘辛自在な味わい
世界で最も高貴な白ブドウ品種の一つとされ、ワイン愛好家から絶大な支持を集めるのがリースリングです。
辛口から極甘口まで、幅広いスタイルのワインが造られるのが最大の特徴です。
味わいと香りの特徴
非常にアロマティックな品種です。
若いリースリングからは、青リンゴや白い花のような清らかな香りがします。
熟成すると「ペトロール香」と呼ばれる、石油のような独特の香りが生まれます。
非常にシャープでキレのある酸味が特徴です。
この高い酸味が、甘口でも味わいを引き締め、上品なバランスを保ちます。
代表的な産地
故郷はドイツです。
モーゼルやラインガウでは、繊細でミネラル感豊かな世界最高峰のリースリングが造られます。
ドイツワインの格付けは、収穫時のブドウの糖度を示し、甘さの目安になります。
フランスのアルザス地方でも、辛口で骨格のしっかりしたリースリングが有名です。
相性の良い料理
辛口のリースリングは、豚肉料理と素晴らしい相性を見せます。
豚肉のソテーやソーセージ、シュークルートによく合います。
ほんのり甘みのあるタイプは、甘辛く酸味のあるエスニック料理とも驚くほどよく合います。
2000円前後で試せる代表的な1本
ドイツの代表的な造り手「ドクター・ローゼン」の「Dr.L リースリング」は入門編として最適です。
ほのかな甘みと美しい酸のバランスが取れた、親しみやすい味わいです。
甲州|和食に寄り添う日本の固有品種
日本が世界に誇るブドウ品種の代表格が、山梨県を中心に栽培される「甲州」です。
その繊細な味わいは、日本の食文化である和食に優しく寄り添います。
味わいと香りの特徴
淡いグリーンがかったイエローの色調が特徴で、香りは控えめで繊細です。
スダチやカボスといった和柑橘や、白桃のような穏やかな果実のアロマが感じられます。
すっきりした辛口で、クリーンな酸味と後味のほのかな苦みが味わいを引き締めます。
この味わいが、和食の繊細な風味を引き立てます。
代表的な産地
栽培の9割以上が山梨県に集中しており、甲州市の勝沼地区が中心です。
近年は醸造技術が向上し、多様なスタイルが造られています。
相性の良い料理
甲州は「和食のためのワイン」と言えます。
お寿司やお刺身、天ぷらなど、繊細な味わいの和食全般と素晴らしい相性を見せます。
魚介の生臭さを感じさせず、日本酒の代わりとしても活躍します。
2000円前後で試せる代表的な1本
「シャトー・メルシャン 山梨甲州」は、甲州のスタンダードを知るのに最適な1本です。
和柑橘の爽やかな香りとクリーンでキレのある味わいは、まさに甲州の王道です。
ピノ・グリージョ|軽やかでフルーティーな万能選手
イタリアの白ワインといえば、ピノ・グリージョが有名です。
フランスでは「ピノ・グリ」と呼ばれ、軽やかで親しみやすい味わいから世界中で人気です。
味わいと香りの特徴
イタリアのピノ・グリージョは、フレッシュさを活かしたスタイルが主流です。
すっきりとした辛口で、軽やかなボディが特徴です。
香りは洋ナシや青リンゴ、柑橘類のような爽やかでフルーティーなアロマが中心です。
クセがなくニュートラルな味わいなので、ワイン初心者にもおすすめです。
代表的な産地
最も有名な産地はイタリア北部です。
ここでは日常的に楽しめる爽やかなスタイルのピノ・グリージョが多く造られています。
一方、フランスのアルザス地方では「ピノ・グリ」として、よりリッチで複雑なスタイルで造られます。
相性の良い料理
すっきりした味わいは、前菜や軽めの料理と相性抜群です。
シーフードサラダやカプレーゼ、白身魚のソテーなどによく合います。
ピザ・マルゲリータやボンゴレ・ビアンコといったパスタとの組み合わせも楽しめます。
2000円前後で試せる代表的な1本
「サンタ・マルゲリータ ピノ・グリージョ」は、世界にこの品種のブームを巻き起こした象徴的なワインです。
フレッシュな果実味とクリーンな後味が魅力で、典型的なスタイルを体験できます。
品種の知識を実践で活かす!ワイン選びと楽しみ方のステップ
ブドウ品種の基本を学んだら、次はいよいよ実践です。
身につけた知識を活かし、自信を持ってあなたのための1本を見つけましょう。
レストランでスマートに注文するための3つのコツ
レストランではソムリエを味方につけることが大切です。
以下の3つのコツを押さえれば、スマートに好みのワインを注文できます。
- まずは予算を伝える
「ボトルで8,000円以内で」など、最初に予算を伝えるとスムーズです。 - 料理との相性を相談する
「この肉料理に合う赤ワインを」と、注文した料理を伝えましょう。プロが料理を引き立てるワインを選んでくれます。 - 好みの品種名や味わいの指標を伝える
「ピノ・ノワールが好きです」と品種名を伝えたり、「重すぎないフルーティーな赤を」と味わいの指標で好みを伝えましょう。
ワインショップで好みを伝える魔法の言葉
ワインショップでは、以下の4点を伝えるとぴったりの1本が見つかります。
- 最近飲んで美味しかった品種やワイン
「ニュージーランドのピノ・ノワールが美味しかったので、似たタイプはありますか?」 - 好きな味わいのタイプ
「スパイシーな赤が好きです」「樽の香りがしないシャルドネを探しています」 - 合わせたい料理
「今夜のクリームシチューに合う白ワインはどれでしょう?」 - 予算
「2,500円くらいまででおすすめを教えてください」
これらを伝えるだけで、漠然とした好みから具体的な選択肢へと絞り込めます。
料理からワインを選ぶペアリングの基本法則
ペアリングには、初心者でも実践できる簡単な法則があります。
- 色を合わせる
色の淡い料理には白ワイン、色の濃い料理には赤ワインを合わせるシンプルな法則です。 - 産地を合わせる
「その土地の料理には、その土地のワインが合う」という考え方です。イタリア料理にはイタリアワインを、といった具合です。 - 味わいの強さを合わせる
料理とワインのボリューム感を揃えます。さっぱりした料理にはライトボディを、濃厚な料理にはフルボディを合わせるのが基本です。
ワイン品種に関するよくある質問
ここでは、ワインの品種に関する素朴な疑問にお答えします。
まとめ|品種を知ればワインはもっと楽しくなる
この記事では、代表的な10品種とワインの選び方を解説しました。
10品種と4つの指標を押さえれば、ワイン選びの失敗は格段に減ります。
まずは気になった品種を1本試してみてください。
知識と味覚が繋がれば、ワインはもっと楽しくなります。

