「ブランデーって、なんだか格式高くて、アルコール度数も強そう…」
ウイスキーやワインは楽しんできたけれど、ブランデーの世界はまだ未知の領域、という方は多いんじゃないでしょうか。
実は、ブランデーのアルコール度数にはちゃんとしたルールや背景があるんです。
この記事では、ブランデーの基本的なアルコール度数から、コニャックやアルマニャックといった種類ごとの違い、法律による規定、そして度数が味わいにどう影響するのかまで徹底的に解説していきます。
ブランデーのアルコール度数は平均40%!主要な種類別度数一覧

まず結論からお伝えすると、市場に流通しているブランデーのアルコール度数は、平均して40%が中心です。
これは、長年親しまれてきたウイスキーとほぼ同じくらいの度数なので、ウイスキーの経験がある方なら、それほど身構える必要はないかもしれませんね。
ただし、ブランデーと一括りにいっても、原料や産地によって様々な種類が存在します。
そして、その種類ごとにアルコール度数のルールや傾向が少しずつ違うんです。
ここでは主要なブランデーの種類別に、具体的なアルコール度数を見ていきましょう。
| ブランデーの種類 | 主なアルコール度数 | 特徴 |
|---|---|---|
| コニャック | 40%以上 (多くが40%) | 法律で最低度数が厳格に定められている。エレガントで華やかな味わい。 |
| アルマニャック | 40%以上 (40%〜50%超も) | 最低度数は40%だが、より高い度数の製品も多い。力強く個性的な味わい。 |
| カルヴァドス | 40%前後 | リンゴが原料。爽やかな香りとまろやかな口当たりが特徴。 |
| その他の フルーツブランデー | 40%前後 | サクランボ(キルシュ)など。果実由来のピュアな香りが楽しめる。 |
コニャック|法律で定められた40%以上
ブランデーの王様とも呼ばれる「コニャック」。
これはフランスのコニャック地方で造られる、ぶどうを原料としたブランデーのことです。
コニャックの最大の特徴は、EUのAOC(原産地統制呼称)という法律によって、品質が厳しく管理されている点にあります。
その法律の中で、「製品として瓶詰めされる際の最低アルコール度数は40%でなければならない」と明確に定められているんです。
そのため、市場に出回っているほとんどのコニャックは、アルコール度数がピッタリ40%に調整されています。
ちなみに、「V.S.O.P.」や「X.O.」といった表記は熟成年数を示す等級ですが、これがアルコール度数に直接影響することはありません。
どの等級でも、基本は40%がスタンダードだと覚えておくと良いでしょう。
アルマニャック|40%以上で多様な度数が存在
コニャックと並び称されるフランスの高級ブランデーが「アルマニャック」です。
こちらもコニャック同様、AOC法によって最低アルコール度数は40%と定められています。
しかし、アルマニャックが面白いのは、コニャックよりも多様なアルコール度数の製品が存在する点です。
特に、単一年に収穫されたぶどうのみで造られる「ヴィンテージ・アルマニャック」の中には、瓶詰め時の加水をしない、あるいは最小限に抑えた「カスクストレングス」に近いものが見られます。
そういった製品はアルコール度数が45%や50%を超えることもあり、ガツンとくる力強い味わいと複雑な香りを楽しむことができるんです。
コニャックのエレガントさとはまた違う、野性的で骨太な個性がアルマニャックの魅力と言えるかもしれません。
カルヴァドスとその他のフルーツブランデー|40%前後が中心
ブランデーの原料はぶどうだけではありません。
フランスのノルマンディー地方で造られる、りんごが原料の「カルヴァドス」も非常に有名ですよね。
また、サクランボを原料とする「キルシュ」や、西洋梨が原料の「ポワール・ウィリアムス」など、様々な果物からフルーツブランデーが造られています。
これらのフルーツブランデーも、その多くがAOC法などで品質管理されており、最低度数が定められている場合がほとんどです。
一般的に、カルヴァドスをはじめとするフルーツブランデーのアルコール度数も40%前後の製品が主流となっています。
ぶどう由来のブランデーとは異なる、原料の果実が持つフレッシュで華やかな香りを楽しめるのが、これらのブランデーの醍醐味です。
アルコール度数を左右する3つの要因|法律・製法・熟成

「なぜブランデーは40%前後が多いんだろう?」
そんな疑問を持った方もいるかもしれませんね。
実は、ブランデーの最終的なアルコール度数が決まるまでには、いくつかの重要なプロセスが関わっています。
その背景を知ると、一杯のブランデーが持つストーリーがより深く感じられるようになりますよ。
ここでは、アルコール度数を決定づける「法律」「製法」「熟成」という3つの大きな要因について解説します。
要因1:法律による規定(最低アルコール度数)
まず最も大きな要因が、先ほども少し触れた「法律による規定」です。
ブランデーの品質と、その土地ならではの個性を守るため、多くの生産国でアルコール度数の下限が法律で定められています。
例えば、フランスのコニャックやアルマニャックがAOC法で最低40%と定められているのは、その代表例です。
実は、日本でも酒税法という法律で「ブランデー」と名乗るためのルールが決められています。
日本の酒税法では、アルコール度数が36%以上であることが一つの基準となっているんです。
こうした法的な縛りがあるからこそ、私たちが手にするブランデーの品質が一定以上に保たれ、度数も特定の範囲に収まっているというわけですね。
要因2:蒸留方法と加水調整
ブランデーは、ワインなどの醸造酒を蒸留して造るお酒です。
この蒸留を終えたばかりの原酒(ニューポットやオー・ド・ヴィーと呼ばれます)は、なんとアルコール度数が約70%もある、非常に強い液体なんです。
このままではとても飲めませんから、製品として出荷する前に「加水調整」という工程が行われます。
長い熟成期間を経て、樽から出された原酒に、少しずつ純水を加えてアルコール度数を下げていくのです。
この作業によって、最終的に40%といった飲みやすい度数に調整されます。
どのタイミングで、どれくらい加水するかは、各メーカーの腕の見せ所であり、そのブランデーの味わいを決定づける重要な工程と言えます。
作り手の哲学が、最終的なアルコール度数にも反映されているんですね。
要因3:樽熟成による変化
ブランデーを琥珀色に染め、複雑で豊かな香味を与えるのが、オーク樽での長期熟成です。
この熟成期間中、樽の中では非常に興味深い現象が起きています。
樽は完全に密閉されているわけではなく、木目を通して呼吸をしています。
そのため、中のブランデーの水分とアルコールが、少しずつ蒸発していくのです。
この自然な蒸発によって、アルコール度数は年間におよそ0.5%から1%程度、ゆっくりと低下していきます。
何十年という長い熟成を経たブランデーは、これによってアルコールの刺激が和らぎ、驚くほどまろやかで深みのある味わいへと変化していくのです。
なんだかロマンチックな話ですよね。
他のお酒とアルコール度数を比較!ウイスキーやワインとの違い
ブランデーの度数が40%前後と聞いても、他のお酒と比べてどうなのか、ピンとこないかもしれません。
特にウイスキーやワインを飲み慣れている方にとっては、その違いが気になるところですよね。
ここでは、身近なお酒とブランデーのアルコール度数を比較して、ブランデーの立ち位置を客観的に見てみましょう。
この比較で、ブランデーに対するイメージがより具体的になるはずです。
| お酒の種類 | 分類 | 一般的なアルコール度数 |
|---|---|---|
| ブランデー | 蒸留酒 | 40%前後 |
| ウイスキー | 蒸留酒 | 40% 〜 43% (高いものは50%超) |
| ジン、ウォッカなど | 蒸留酒 | 40%前後 |
| ワイン | 醸造酒 | 10% 〜 15% |
| 日本酒 | 醸造酒 | 15%前後 |
| ビール | 醸造酒 | 5%前後 |
ウイスキーとの比較|ほぼ同等か少し低い傾向
ブランデーと比較されることの多いウイスキー。
アルコール度数で見てみると、スコッチウイスキーの多くが40%〜43%でボトリングされており、ブランデー(主に40%)とほぼ同等と言えます。
ウイスキーとブランデーのアルコール度数に、大きな差はないと考えて良いでしょう。
ただし、ウイスキーには「カスクストレングス」と呼ばれる加水をしないタイプや、バーボンのように50%を超える度数のものも多く存在します。
そういった意味では、ブランデーの方が全体的にややマイルドな度数帯に集中している傾向があるかもしれません。
原料が果実(ブランデー)か穀物(ウイスキー)かという違いが、同じくらいの度数でも全く異なる香味を生み出しているのが面白いところです。
ワインや日本酒(醸造酒)との比較|明確に高い
ワインや日本酒は、酵母の力で糖分をアルコール発酵させて造る「醸造酒」です。
ワインのアルコール度数は10%〜15%、日本酒は15%前後が一般的です。
これらと比較すると、ブランデーの度数は格段に高いことがわかりますよね。
それもそのはずで、ブランデーはそもそも「ワインを蒸留して造るお酒」なんです。
蒸留とは、液体を熱して気化させ、それを冷やして再び液体に戻すことで、アルコール分を凝縮させる技術のこと。
この工程を経ることで、ワインが持つ水分が取り除かれ、アルコール度数が一気に高まるわけです。
ブランデーとワインの違いは、この蒸留工程の有無にあるんですね。
ジンやウォッカ(スピリッツ)との比較|近い度数帯
ジン、ウォッカ、ラム、テキーラといったお酒は、ブランデーやウイスキーと同じ「蒸留酒(スピリッツ)」のカテゴリーに属します。
これらのスピリッツも、一般的な製品のアルコール度数は40%前後に設定されているものが多く、ブランデーとは非常に近い度数帯にあります。
では、何が違うのかというと、大きなポイントは「樽熟成」です。
ジンやウォッカは基本的に樽熟成を行わないため、無色透明でクリアな味わいが特徴です。
一方、ブランデーは樽で長期間熟成させることで、美しい琥珀色と、樽由来の複雑でまろやかな風味が生まれます。
同じ度数帯でも、製造工程の違いが全く異なる個性を作り出しているのです。
アルコール度数がブランデーの味わいに与える影響
「度数が高いと、やっぱり味がキツくて飲みにくいんじゃないの?」
そう心配される方もいるかもしれません。
しかし、ブランデーにとってアルコール度数は、単なる「強さ」の指標ではないんです。
実は、香りや味わいの骨格を形成し、そのお酒の品質を左右する非常に重要な要素なのです。
ここでは、アルコール度数がブランデーの香味に具体的にどう影響するのかを解説します。
この関係性が分かると、度数に対する見方が変わるかもしれませんよ。
香りの立ち方と揮発性
ブランデーの最大の魅力といえば、その華やかで芳醇な香りですよね。
実は、この香りを私たちの鼻まで届けてくれる立役者が、アルコールなんです。
アルコールには、液体に含まれる香り成分を揮発させ、空気中に解き放つ働きがあります。
つまり、アルコール度数が適度にあることで、ブランデーが持つフルーツの香りや、樽熟成によって生まれたバニラやスパイスのような複雑な香りが、グラスから豊かに立ち上ってくるのです。
テイスティングの際にグラスを軽く回す「スワリング」という所作がありますが、あれは液体を空気に触れさせて、アルコールの揮発を促し、香りをより引き出すためのテクニックなんですよ。
ただし、度数が高すぎるとアルコールの刺激が強く出すぎて、繊細な香りを覆い隠してしまうこともあります。
このバランスが非常に重要なんですね。
口当たりとボディ感|甘みと余韻の長さ
アルコール度数は、口に含んだ時の印象にも大きく影響します。
一般的に、度数が高いお酒ほど、口の中でとろりとした質感や、しっかりとした飲みごたえ、いわゆる「ボディ感」が強く感じられる傾向があります。
また、アルコール自体が持つほのかな甘みが、ブランデーの果実由来の甘みと合わさって、味わいに厚みと複雑さを与えてくれます。
そして、飲み込んだ後に鼻から抜ける香りや、舌の上に残る心地よい味わいの「余韻(フィニッシュ)」の長さにも、アルコール度数が寄与しています。
度数がしっかりしているからこそ、そのブランデーが持つ豊かな風味が長く続くのです。
このように、アルコール度数はブランデーの味わいの輪郭を形作る、欠かせない要素なのです。
高い度数を美味しく楽しむ飲み方!初心者におすすめの方法
ブランデーのアルコール度数について理解が深まると、いよいよ実際に味わってみたくなりますよね。
それでも「やっぱり40%は少し強いかも…」と不安な方のために、ここでは度数の高さを上手にコントロールしながら、ブランデーの魅力を最大限に引き出す飲み方をご紹介します。
特にブランデー初心者の方におすすめの方法なので、ぜひ自宅で試してみてください。
きっと、自分に合った最高の楽しみ方が見つかりますよ。
まずはストレートで|香りを最大限に楽しむ
ブランデー本来の香りや味わいを最もダイレクトに感じられるのが、何も加えないストレートという飲み方です。
とはいえ、いきなりグイッと飲むのはおすすめしません。
まずは、チューリップ型のように少し口がすぼまったブランデーグラスに少量(30ml程度)を注ぎ、色を眺め、そして香りをじっくりと楽しむことから始めてみてください。
グラスを少し傾けて鼻を近づけると、驚くほど豊かで複雑な香りが立ち上ってくるはずです。
飲むときは、一気に流し込むのではなく、ほんの少しだけ口に含み、舌の上で転がすようにしてゆっくりと味わいます。
こうすることで、アルコールの刺激が和らぎ、ブランデーの持つ甘みや旨味をしっかりと感じることができます。
少しずつ加水する|トワイスアップのすすめ
「ストレートだと、どうしてもアルコールの刺激が気になる…」という場合に、ぜひ試してほしいのが「加水」です。
ウイスキーの飲み方としても知られる「トワイスアップ」のように、ブランデーに常温の水を少しずつ加えていく方法です。
ポイントは、一気に加えるのではなく、スポイトなどで数滴ずつ垂らし、その都度香りの変化を確認すること。
水を加えることでアルコールの角が取れて口当たりが驚くほどまろやかになり、さらに、それまで閉じていた華やかな香りが一気に開くことがあります。
自分にとって最も心地よいと感じる香味のバランスを見つける、そんな実験のような楽しさがある飲み方です。
カクテルで楽しむ|定番レシピで気軽に
ストレートや加水にまだ抵抗があるという方は、カクテルから入るのも素晴らしい選択肢です。
ブランデーの芳醇な風味は、実はカクテルベースとしても非常に優秀なんです。
自宅で簡単に作れるおすすめのレシピをいくつかご紹介します。
- ブランデージンジャー: ブランデーをジンジャーエールで割るだけのシンプルなカクテル。ブランデーの甘みとジンジャーエールのスパイシーさが絶妙にマッチします。いわゆるブランデーハイボールの定番ですね。
- フレンチコネクション: ブランデーとアマレット(あんずの核のリキュール)を1:1で混ぜるだけの簡単なカクテル。濃厚な甘さと香りが楽しめます。
- ブランデー&オレンジ: ブランデーをオレンジジュースで割るスタイル。ブランデーのフルーティーさがオレンジと相性抜群で、非常に飲みやすい一杯です。
これらの飲み方なら、アルコール度数を気にせず気軽にブランデーの世界に触れることができますよ。
初心者向け!アルコール度数で選ぶおすすめブランデー3選
さて、ブランデーのアルコール度数に関する知識も深まり、飲み方も分かったところで、いよいよ「最初の一本」を選んでみたくなりますよね。
ここでは、ブランデーをこれから楽しみたいという方のために、品質が安定していて入手しやすく、度数も標準的な40%で安心して試せるおすすめの銘柄を3つ厳選してご紹介します。
失敗したくない、という方にぴったりのラインナップです。
ミニボトルが手に入るものもあるので、ぜひ気軽に試してみてください。
サントリー V.S.O.P. フロスティボトル
日本の大手メーカー、サントリーが造るブランデーです。
国産ならではの安心感と、日本人の味覚に合わせて作られた華やかでフルーティーな味わいが特徴。
アルコール度数は40%で、口当たりも非常にスムーズです。
まずはソーダで割ってブランデーハイボールにしてみるなど、気軽に楽しめるのが魅力ですね。
スーパーなどでも手に入りやすいので、最初の一本として最適です。
カミュ V.S.O.P.
「コニャック」の世界を体験してみたいなら、この一本がおすすめです。
カミュは数あるコニャックメーカーの中でも、特にフローラルで軽やかな味わいが特徴として知られています。
アルコール度数はもちろん規定通りの40%。
スミレのような華やかな香りと、エレガントで飲みやすい味わいは、ブランデーのイメージを良い意味で変えてくれるかもしれません。
まずはストレートで、その繊細な香りを楽しんでみてください。
ブラー グランソラージュ
ぶどう以外のブランデーにも触れてみたい、という方にはカルヴァドスの「ブラー グランソラージュ」が一押しです。
原料はりんご100%。
アルコール度数は40%で、フレッシュなりんごの爽やかな香りと、樽熟成由来のまろやかな甘みが心地よい一本です。
ロックやソーダ割りはもちろん、バニラアイスにかけて大人のデザートとして楽しむのも絶品ですよ。
ブランデーの世界の多様性を感じさせてくれる銘柄です。
ブランデーのアルコール度数に関するよくある質問
ここまでブランデーのアルコール度数について詳しく解説してきましたが、最後に、多くの方が抱く細かい疑問についてQ&A形式でお答えします。
これで、ブランデーに関する知識は万全です!
まとめ|アルコール度数の理解はブランデーを楽しむ第一歩
ここまで、ブランデーのアルコール度数について、様々な角度から掘り下げてきました。
- ブランデーのアルコール度数は平均して40%であり、ウイスキーとほぼ同じくらいであること
- コニャックのように法律で厳格に度数が定められているものもあれば、アルマニャックのように多様な度数が存在する種類もあること
- そして、その度数が香りや味わいの骨格を形成する重要な要素であり、飲み方を工夫すれば自分好みにコントロールして楽しめること
これらのポイントをご理解いただけたのではないでしょうか。
アルコール度数に対する漠然とした不安が、その背景にあるルールやストーリーを知ることで、知的な興味に変わったなら幸いです。
もう、ブランデーのボトルを前にして臆することはありません。
さあ、まずは気になる一本を手に取って、その奥深い世界をゆっくりと味わってみませんか。

