お店で飲んだ、フレッシュで微炭酸の「生マッコリ」。
家でもあの味が楽しめたら最高だと思いませんか?
しかし、発酵の難しさや材料選びなど、不安も多いでしょう。
実は、いくつかのポイントを押さえれば、初心者でも美味しい本格生マッコリが作れます。
この記事では、麹選びから発酵のコツ、アレンジまで詳しく解説します。
この記事を読めば、きっと「私にもできそう」と思えるはずです。
マッコリ作りを始める前に|知っておくべき3つの重要ポイント

作り始める前に、成功のための3つの重要ポイントを解説します。
法律、全体の流れ、成功の心構えを押さえれば、失敗のリスクを減らせます。
ポイント1|酒税法の規定と自家醸造の注意点
最初に、大切な法律の話をします。
日本の酒税法では、アルコール度数1%以上の飲料を免許なく製造することは禁止されています。
これは自家消費目的であっても同様です。
本レシピは、法律を守りアルコール度数を1%未満に抑えることを前提としています。
具体的には、発酵時間を短く調整し、アルコールの過剰生成を防ぎます。
これにより、お米の甘みが残るフレッシュな微アルコール発酵飲料に仕上がります。
法律を守り、安全に自家醸造を楽しんでください。
ポイント2|手作りマッコリ完成までの全工程と所要時間
マッコリ作りの実際の作業時間は、意外と短いものです。
ここで完成までの全体像を掴んでおきましょう。
マッコリ作りは、大きく分けて4つのステップで進みます。
- 準備・仕込み(実作業:約1〜2時間): 米の準備と材料の混合を行います。
- 発酵(待ち時間:約5〜7日): 容器で発酵させます。1日に1〜2回かき混ぜるだけです。
- 濾す(実作業:約15分): 発酵したもろみを布で濾し、液体と酒粕に分けます。
- 完成・熟成(待ち時間:1日〜): 濾した液体を冷蔵庫で冷やせば完成です。1〜2日置くと味が落ち着きます。
実作業は合計で2〜3時間程度です。
残りの時間は発酵の力に任せます。
ポイント3|成功の鍵は「麹選び」「温度管理」「衛生管理」
手作りマッコリを成功させる重要な要素は3つあります。
それは「麹選び」「温度管理」「衛生管理」です。
この3点を押さえれば、失敗の確率を大幅に下げられます。
- 麹選び: 麹はお米のデンプンを糖に変え、マッコリの味を決定づける重要な材料です。
- 温度管理: 麹菌や酵母が活発に働く最適な温度を保つことが、美味しさへの近道です。
- 衛生管理: 雑菌の繁殖は腐敗の原因となるため、使う道具の消毒は必須です。
この記事では、この3つのポイントについて具体的な方法を解説します。
失敗しないマッコリの材料選び|味の決め手は麹にあり

美味しいマッコリ作りは材料選びから始まります。
特に麹は味の決め手となるため、知識を深めていきましょう。
最重要!麹の種類と特徴を徹底比較
麹には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
目指す味わいに合った麹を選びましょう。
以下の表で、主な麹の種類と特徴を比較します。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 米麹 | お米に麹菌を繁殖させたもの。上品な甘みとすっきりした風味が特徴。日本の発酵食品で最も一般的。 | クセがなく、クリアな味わいに仕上がる。入手しやすい。 | ヌルクに比べると風味の複雑さは控えめ。 |
| 麦麹 | 大麦や小麦に麹菌を繁殖させたもの。香ばしい風味と深いコクが特徴。 | 独特の香ばしさが加わり、個性的な味わいになる。 | 米麹に比べて糖化力が弱い場合がある。入手先が限られる。 |
| ヌルク | 小麦などを固め、自然界の様々な微生物(麹菌、酵母、乳酸菌など)を繁殖させた韓国伝統の麹。 | 複雑で奥深い、本格的な韓国マッコリの風味が出せる。 | 品質が不安定で雑菌汚染のリスクも高く、上級者向け。 |
さらに麹には「生麹」と「乾燥麹」の2つの形態があります。
- 生麹: 酵素の力が強いですが、賞味期限が短く品質管理が難しいです。
- 乾燥麹: 長期保存が可能で扱いやすく、品質も安定しています。
マッコリ作りが初めての方には、品質が安定していて扱いやすい「乾燥米麹」がおすすめです。
【2025年版】おすすめの麹3選と購入先
入手しやすく品質の安定した、おすすめの乾燥米麹を3つ紹介します。
伊勢惣「みやここうじ」
スーパーで手に入りやすい板状の乾燥麹です。
安定した糖化力が魅力で、手でほぐして使います。
購入先:全国のスーパーマーケット、Amazon、楽天市場など
マルコメ「プラス糀 米こうじ」
ほぐす手間がないバラタイプの米麹です。
チャック付きで保存に便利で、品質も安定しています。
購入先:全国のスーパーマーケット、富澤商店、マルコメ公式オンラインショップ、Amazonなど
コーセーフーズ「有機米使用 乾燥米こうじ」
有機JAS認証の米を使ったオーガニック製品です。
優しい甘みとすっきりした後味が特徴です。
購入先: こだわり系のスーパー(成城石井、ナチュラルローソンなど)、富澤商店、Amazonなど
米・水・酵母の選び方|基本とこだわり
麹以外の材料も、仕上がりを左右する大切な要素です。
米: マッコリ作りには「もち米」と「うるち米」が使えます。
- もち米: 甘みが強く濃厚で、とろりとした口当たりのマッコリになります。
- うるち米: すっきりとしたドライでキレのある味わいに仕上がります。
水: 水道水を使う場合は一度沸騰させた「湯冷まし」を使いましょう。
浄水や軟水のミネラルウォーターを使うと、よりクリアな味になります。酵母(イースト): 酵母はパン用のドライイーストで代用可能です。
予備発酵不要のインスタントドライイーストが便利です。
マッコリ作りに必要な道具一覧|家にあるものでOK?
特別な道具は不要で、多くは家庭にあるもので代用できます。
ここでは必須の道具と、あると便利な道具を紹介します。
必須の道具5選
これだけは揃えたい必須の道具を紹介します。
発酵容器
仕込み量の2倍以上の容量があるガラス瓶やホーロー容器が適しています。発酵でガスが発生するため、蓋は完全に密閉しないものを選びましょう。炊飯器または蒸し器
お米を固めに蒸すために使います。
蒸し器が本格的ですが、炊飯器でも代用できます。ヘラまたはしゃもじ
材料の混合や撹拌に使います。濾すための布
もろみを濾すために使います。
清潔な手ぬぐいやさらし、ガーゼで代用できます。保存瓶
完成したマッコリを保存します。
炭酸ガスに対応できるペットボトルなどが安全です。
あると便利な道具
必須ではありませんが、あると作業がよりスムーズになります。
- 温度計: 温度管理の精度を上げ、失敗を減らします。
- キッチンスケール: 材料を正確に計量し、味を安定させます。
- 大きめのボウルやバット: 蒸米を冷ますのに便利です。
- ザル: 洗米や濾す際に役立ちます。
道具の消毒方法|雑菌の繁殖を防ぐ最重要ステップ
仕込み前の道具の消毒は、腐敗を防ぐ最重要工程です。
使う道具はすべて徹底的に消毒しましょう。
主な消毒方法は2つあります。
1. 煮沸消毒
耐熱性のガラス瓶などに適した、最も確実な方法です。
- 大きな鍋に布巾を敷き、その上に消毒したい道具を入れます。
- 道具が完全に浸かるまで水を注ぎ、火にかけます。
- 沸騰してから5〜10分間煮沸します。
- 火を止め、清潔なトングなどで取り出し、自然乾燥させます。
2. アルコール消毒
煮沸できない大きな容器などに便利な方法です。
- 食品にも使える、アルコール度数70%以上のスプレーを用意します。
- 清潔なキッチンペーパーに吹きかけ、道具の隅々まで丁寧に拭き上げます。
- スプレー後は拭き取らずに自然乾燥させます。
このひと手間が、美味しいマッコリ作りへの一番の近道です。
【全工程解説】本格生マッコリの作り方7ステップ
いよいよ、本格生マッコリ作りの実践編です。
ここでは7つのステップに分けて、各工程を解説していきます。
ステップ1|洗米と浸漬
まずはお米の準備をします。
お米の表面のぬかを優しく洗い流しましょう。
研ぎすぎると米が割れ、ベタつきの原因になるので注意してください。
水を2〜3回替え、優しく撫でるように洗います。
洗い終わったら、たっぷりの水に浸漬させます。
浸漬により、お米の中心まで火が通りやすくなります。
目安は夏場で3時間、冬場は5時間〜一晩です。
浸漬後、ザルにあげて30分〜1時間ほど水切りをします。
ステップ2|蒸米(コドゥパプ作り)
次に、硬めに蒸した米「コドゥパプ」を作ります。
麹菌が働きやすいよう、ベタつかない硬さに仕上げることが重要です。
蒸し器を使う本格的な方法
- 蒸し器に濡れ布巾を敷き、水切りした米を広げ入れます。
- 沸騰した蒸し器にセットし、強火で40分〜50分ほど蒸します。
- 途中で打ち水をして上下を返すと、蒸しムラがなくなります。
- お米の芯がなくなり、透明感が出れば蒸しあがりです。
炊飯器で代用する簡単な方法
炊飯器でも簡単にコドゥパプが作れます。
水の量は、もち米なら米1合に水100ml、うるち米なら120mlと少なめに設定します。
「おこわモード」や「早炊きモード」を使いましょう。
炊きあがったら、すぐに蓋を開けて蒸気を逃がしてください。
ステップ3|冷却
蒸しあがったコドゥパプを人肌(約30〜35℃)まで冷まします。
温度が高すぎると麹菌や酵母が死んでしまうため、この温度管理は非常に重要です。
バットなどに広げ、しゃもじで切るように混ぜると早く冷めます。
手で触れてほんのり温かい程度が目安です。
ステップ4|仕込み(混合と撹拌)
消毒した発酵容器に材料を混ぜ合わせます。
- 冷却したコドゥパプと麹を容器に入れます。
- 清潔な手で、米粒に麹をコーティングするイメージでしっかりと混ぜ合わせます。
- 分量の水とドライイーストを加えます。
- 全体が均一になるように、丁寧に混ぜます。
これで仕込みは完了です。
発酵でガスが発生するため、蓋は完全に閉めず、ガスが抜ける隙間を確保してください。
ステップ5|発酵管理(温度と撹拌)
仕込みが終わったら、微生物が働きやすい環境を整えます。
温度管理
発酵の最適温度は20〜25℃です。
直射日光を避け、温度変化の少ない場所に置きます。
季節に応じて保温や冷却の工夫をしましょう。
撹拌
仕込みから3〜4日間は、1日に1〜2回、清潔なヘラで全体を混ぜます。
これにより発酵が均一に進み、雑菌の繁殖も防ぎます。
ステップ6|発酵終了の見極め
発酵は季節によりますが、5〜7日で終了します。
終了のサインは五感で判断できます。
- 見た目: 活発だった気泡が落ち着き、浮いていた米が沈み始めます。
- 音: 容器に耳を近づけても、「シュワシュワ」という音が静かになります。
- 香り: 甘い香りから、フルーティーなアルコールの香りに変わります。
これらのサインが見られたら、発酵終了の合図です。
ステップ7|濾(こ)して完成
最後に、発酵が終わったもろみを濾して完成です。
- 大きなボウルの上にザルを置き、清潔な布を広げます。
- もろみをゆっくりと布の上に注ぎ入れます。
- 自然に液体が滴り落ちるのを待ちます。
- 布を巾着のように絞り、中の液体を優しく搾り出します。
濾した液体が手作り生マッコリです。
保存瓶に移し、冷蔵庫で一晩冷やすと味が落ち着きます。
残った酒粕(チゲミ)は料理に活用できます。
これで不安解消!発酵中の成功サインと失敗サインの見分け方
発酵中の成功サインと失敗サインの見分け方を解説します。
これを知れば、安心して発酵を見守れます。
【正常な発酵】成功している時の3つのサイン
順調な発酵では、以下のようなサインが見られます。
サイン1:見た目の変化
仕込み1〜2日で表面に気泡が出始めます。
ピーク時には全体が盛り上がり、終盤には気泡が落ち着き米が沈みます。
サイン2:香りの変化
初期は甘酒のような香り、次第にフルーティーな香りを経て、爽やかなアルコールの香りに変化します。
サイン3:音の変化
活発な発酵期には「シュワシュワ」という炭酸ガスが出る音が聞こえます。
これは発酵が順調な証拠です。
【異常な発酵】注意すべき失敗の3つのサイン
衛生管理が不十分だと雑菌が繁殖し、失敗することがあります。
以下のサインが見られたら、飲まずに処分してください。
サイン1:見た目の異常
白以外のカビ(青、黒、緑など)の発生や、表面の油膜、ぬめりは失敗のサインです。
サイン2:匂いの異常
鼻を突く酸っぱい刺激臭や、納豆、古雑巾のような不快な匂いは腐敗のサインです。
サイン3:状態の異常
数日経っても気泡や香りがなければ、酵母が活動しておらず発酵失敗です。
手作りマッコリの保存方法と美味しい楽しみ方
完成したマッコリの保存方法と、美味しい楽しみ方を紹介します。
冷蔵保存が基本|賞味期限と味の変化
手作り生マッコリは酵母が生きているため、必ず冷蔵保存してください。
常温保存は過発酵や容器破損の危険があります。
保存容器はガス抜きしやすい炭酸飲料用ペットボトルが安全です。
美味しく飲める目安は冷蔵で1〜2週間です。
この間、徐々に酸味と炭酸が強くなる味の変化も楽しめます。
基本の美味しい飲み方とおすすめの酒器
まずは基本の飲み方で、本来の味を楽しみましょう。
- よく冷やす
キンキンに冷やすと、甘みが引き締まりのどごしが爽やかになります。 - 飲む前によく混ぜる
飲む直前に瓶を優しく揺すり、沈殿した成分を均一に混ぜます。
韓国のアルミ製容器「トゥッペギ」で飲むと雰囲気が出ます。
お気に入りのグラスや陶器の器でも楽しめます。
アレンジレシピ5選|フルーツからカクテルまで
基本の味の次は、アレンジも楽しんでみましょう。
- フレッシュフルーツマッコリ
マッコリとお好みの冷凍フルーツをミキサーにかけるだけです。 - マッコリカクテル
マッコリとビールを1:1で割る「マッコリビール」はさっぱりして食事に合います。 - フローズンマッコリ
マッコリを凍らせてミキサーにかければ、夏にぴったりのデザートカクテルになります。 - ヨーグルトマッコリ
マッコリにプレーンヨーグルトを加えると、より爽やかな味わいになります。 - 黒豆マッコリ
市販の黒豆煮とその煮汁を混ぜる、韓国で人気の飲み方です。
マッコリに合う料理ペアリングの提案
手作りマッコリに合う料理のペアリングを紹介します。
- 定番の韓国料理: チヂミやキムチ、チャプチェとの相性は抜群です。
- チーズ・乳製品: クリームチーズやカマンベールチーズのコクと、マッコリの酸味は良い組み合わせです。
- 生ハムやサラミ: 塩気の効いた生ハムなども、マッコリの甘みを引き立てます。
- スパイシーな料理: エスニック料理やカレーの辛さを、マッコリが優しく和らげます。
よくある質問
マッコリ作りに関するよくある質問にお答えします。
まとめ|自分だけの本格生マッコリで豊かな時間を
難しそうに思えるマッコリ作りも、ポイントを押さえれば初心者でも本格的な味を再現できます。
重要なのは「麹選び」「温度・衛生管理」「発酵サインの理解」の3つです。
手作りマッコリは、作る過程も飲む時間も特別な体験になります。
この記事を参考に、ぜひ自家製マッコリ作りに挑戦してみてください。

